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2017年7月8日

他の職種との距離が近い

ももたろう往診クリニックでは、岡山大学医学部から実習生を受け入れています。
実習を終えた学生さんの感想をご紹介します。

岡山大学医学部6回生 【実習期間】2017年7月 2週間

この度、ももたろう往診クリニックにて2週間実習させていただき、訪問医療、在宅医療について勉強させていただきました。これまでは、主に大学病院のような急性期の総合病院での実習がほとんどであり、在宅医療について見学したり、学習したり機会は残念ながらありませんでした。そのため、ぜひともこの目で在宅医療の現場を見てみたいと思い、ももたろう往診クリニックでの実習を希望させていただきました。
 二週間の実習でたくさんの患者様とお会いさせていただきましたが、皆様の、慣れ親しんだご自宅で過ごされているからこその、穏やかで豊かな表情が大変印象的でした。そのような表情、雰囲気は急性期の総合病院ではなかなか見ることがなかったように思いますので、ご自宅でゆっくりと過ごすことができる在宅医療っていいなと感じました。もちろん、医療機関ではなくご自宅で過ごすことによる問題点や難しい点というものたくさんあり、そのような場面を見る機会もありましたが、それらに対しては、クリニックの医師や看護師、また必要に応じて薬剤師や介護福祉士など様々な職種が連携することで一つ一つ対応されていて、在宅医療におけるチーム医療の重要性を垣間見ることができ、そして、その結果、患者様、ご家族が安心してご自宅で過ごすことができるのであると実感いたしました。
 またこの2週間で退院前カンファレンスにも参加させていただきました。退院前カンファレンスとは、患者様が退院され自宅に帰られる前に、病院の主治医や看護師、訪問診療や訪問看護のスタッフ、介護福祉士やケアマネジャーなどが参加して、退院前の状態や退院されてからの問題点、その解決策などを議論する場です。これまで大学病院での実習中には、そのような会議が行われていることすら知らなかったのですが、事前に患者様について情報を共有し、問題点を洗い出して、しっかりと準備しておくことで安心してご自宅へ帰ることができるのだと知りました。この際にも医師だけでなく多職種が連携、協力して議論する、まさにチーム医療の大切さを再認識し、また在宅の現場では、よりそれが色濃く、他の職種との距離が近いのだとわかりました。
 これまで病気や検査結果、診断や治療方法などについて勉強してきました。もちろんこれらの知識は医師になる上で必要不可欠であります。しかし、この2週間の実習では、そういったことだけでなく、患者様やご家族の皆様がどのような方で、どういった悩みや不安を抱えておられ、どのようなご自宅に住んでおられるのか、そして医療者としてどのようなことをさせていただくのはよいのか、といったことを常に考えながら訪問診療・往診に同行させていただきました。間近でクリニックの先生や看護師の皆さんの診療を見学させていただいて、いつも患者様やご家族の訴えを傾聴され、様々な問題点に対して、一つ一つに対して出来る限りの適切な対応をされていると感じました。そして、これらの経験から、ただ治すだけが医療従事者の役目ではなく、患者様、ご家族から苦痛や不安を取り除き、安心感を持っていただく、これが医療人の本質であるということを改めて認識させていただきました。これから大学を卒業し、いよいよ医療従事者になる身として、そのように患者様に安心を与えることのできる、クリニックの皆様のような医師になれるよう精進して参りたいと思います。
 小森院長をはじめ、クリニックのスタッフの皆様におかれましては、2週間熱心にご指導いただきありがとうございました。また、実習中に訪問診療に同行させていただき、診療を見学させていただいた患者様、ご家族の皆様、貴重な経験をさせていただき誠にありがとうございました。学生という比較的早い段階で在宅医療の現場を見て、その仕組みや問題点などについて考えることができたことは、将来どのような医師になるにしても非常に貴重であったと考えます。2週間本当にありがとうございました。