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2016年5月21日

安心感や温かい雰囲気

ももたろう往診クリニックでは、岡山大学医学部から実習生を受け入れています。
実習を終えた学生さんの感想をご紹介します。

岡山大学医学部6回生 【実習期間】2016年5月 5日間

これまでの実習では大学病院や市中病院が主な実習場所だったので、ももたろう往診クリニックのような在宅診療を専門にされている施設の見学は初めての経験でした。
まず在宅診療というものが想像しづらく、どういったシステムでどこまでの診療が出来るのか。私の知識はそのようなレベルのスタートでした。
 見学初日の朝始まってすぐ、申し送りの場面で驚きがありました。クリニックで診療をしている患者さんは200人を超えるというのに、スタッフの医師・看護師・事務の方々が患者さん一人ひとりのことを把握しておられ、お家の特徴やご家族の様子などについても発言がたくさん出てきていました。毎日朝夕の申し送りでクリニックのスタッフ全員で情報を共有し一人の医師、看護師だけで担当の患者さんを受け持つのではなくスタッフの皆さんで診ていくという体制がとられていました。何か問題が患者さんに起ったときは、24時間365日持ち回りで当番をされているスタッフの方はどなたでも安心して対応出来ることが素晴らしいと感じました。患者さんにとって時間を問わずいつでも困った事態になれば往診してもらえるのは心強いことだろうと思います。
また、自宅で療養や生活をするうえで介護が必要な方がこれだけ多くいるという状況にも驚きました。普段の病院の実習だけでは気付けないことでした。身体の自由が利かない高齢者の方、いつでも病院へ連れて行ってもらえる介護者がいる訳では無い状況にある方・・・そういった方にとって医師や看護師が家まで出向いて診察、処置、薬の処方ができるのはどれだけ助かることだろう、と患者さんが口にされる言葉や様子から伺い知りました。人手や時間はとてもかかってしまうことではありますが、患者さんが自宅でその人らしく生活できる、この在宅療養・訪問診療というスタイルにはとて意義があるものです。「病気を治療・療養する患者」としてではなく、「日々生活を送る一人の人間」として存在することを可能にする医療だと思います。
強く印象に残った出来事がありました。それは見学最終日の午前中に訪問した方のことですが、奥様が介護をされて自宅で療養されている方でした。癌の末期で余命も数日というところだろう、という方でした。でもそれは言われないと気付かないほど、患者さんの様子は落ち着いており、奥様の表情やご自宅の雰囲気も柔らかでした。その日の夕方、一日の診療が終わってクリニックに帰ると、その方がお昼過ぎ頃に息を引き取られた、ということを聞きました。それを聞いた瞬間、驚きと悲しみが湧き上がって来たのですが、奥様やご自宅・患者さんのご様子がつらく悲しいものでなく住み慣れた家にいられるという安心感やあたたかい雰囲気を思い出し、自然に近い状態で安らかな良い最期を迎えることが出来てよかったな、という気持ちになりました。
このような医療が実現するためには、訪問診療だけでなく介護や訪問看護、さまざまな領域で協力し合って患者さんの生活を支えることが必要で、患者さんに関わるみなさんで同じ目標に向かって進んでいる姿に感銘を受けました。
一週間という短い間でしたがクリニックのスタッフのみなさんには大変お世話になりました。普段の実習だけでは得られない視点や気付きが得られた実りある経験が出来ました。最後になりましたが、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。