01
自宅で安心して過ごせるように
慢性期~終末期までサポート
当院が訪問診療を行っている患者様の約8割は、脳梗塞や脳出血の後遺症、神経難病、認知症などで通院困難となり、長期的な療養管理を要する状態の方です。当院では、これら慢性疾患で通院困難となった際の長期的な在宅療養サポートだけでなく、長い間診療に伺ってきた患者様が安心して最期の時まで在宅療養を続けられるよう、終末期医療の充実にも力を入れています。一般的に難しいと言われる非癌疾患の患者様への意思決定支援にも取り組んでおり、連携する看護・介護職の皆様と一緒にアドバンス・ケア・プランニング(ACP)への支援を行います。
02
何でも相談できる!
地域連携専任看護師御家族や
連携事業所
の皆様のための相談窓口
在宅医療の経験豊富な看護師2名が連携担当窓口として地域連携業務に当たっています。病院ソーシャルワーカーやケアマネジャーからの新規問い合せへの対応をはじめ、訪問診療開始前の患者様・御家族への事前説明、病状や医療処置状況の事前把握、他事業所との連絡など、看護師ならではの強みを生かした連携業務で、診療へのスムーズな橋渡しに努めています。
03
本当に困ったときこそ
来てもらえる安心感を!
あらかじめ予定された訪問診療のときだけでなく、患者様が本当に困ったときにこそ頼りになる存在でありたい…。深夜に不安いっぱいで電話してこられた御家族から、「よかった…来てもらって安心しました」という声が聞かれるたび、夜間・休日の臨時往診の重みを感じます。当院では夜間・休日であっても深夜であっても必ず連絡がつき、必要に応じて医師・看護師により往診できる運営体制をとっています。
04
「家に帰りたい」の願いに
応えるために自宅での
外科的処置や
医療管理にも対応
呼吸器やポンプなどの医療機器や、手術や処置のあとのドレーン(管)がついたままでは家に帰れない…?病院と同等にはいきませんが、状態が安定してさえいれば、多くの場合で自宅での管理が可能です。医療的な問題だけのために在宅療養ができないということがないようにしたいと考えています。気管切開カニュレや胃瘻交換、褥瘡処置、症状緩和のための胸水・腹水穿刺ドレナージなど、訪問診療で対応することで病院受診の負担を軽減できます。
【対応している医療処置例】
気管切開、胃瘻栄養管理(チューブやボタンの交換を含む)、腸瘻栄養管理、膀胱瘻、腎瘻、胸水や腹水の穿刺ドレナージ人工呼吸器管理、インスリン自己注射、褥瘡の処置
残された時間が限られるがん患者様の在宅療養のサポートは当院の得意とするところです。がん患者様が在宅療養を続ける上で、疼痛をはじめとした症状コントロールは必須です。療養の場が病院から自宅に移っても同じように苦痛を取り除き安心して過ごせるように、医師・看護師とも医療用麻薬の扱いに習熟し、症状緩和に努めています。 本来の生活の場である「家」が持つ「在宅力」によって、患者様がより満足して過ごせることを願っています。
訪問診療を行う在宅療養支援診療所は本来24時間の往診対応を行うことになっていますが、医師1人で24時間365日の対応は困難です。当院では1人の医師が疲弊することなく健全な運営を持続できるよう、常勤医師3名の他に非常勤医師も含めて複数の医師が交代しながら24時間の対応を行っています。また、内科系、外科系、総合診療などそれぞれの専門や得意分野を生かし、相談しながらより良い診療が行えるよう努めています。当院の診療患者様には眼科医による訪問診療も行っています。
患者様の在宅療養にあたっては、医療だけでなく介護面の支援が必須です。医療面だけうまくいっても生活自体が成り立たないと在宅療養は立ちゆかなくなってしまいます。当院では、医師のほか連携担当看護師、診療同行看護師から必要に応じ連携先への電話連絡、また事務職員による診療後の報告などにより、連携先の病院や事業所との密な連携に努めています。誰か1人が抱え込むのでなく、患者様を囲む一つの在宅チームとして相互に連絡を取りながら一緒にみてゆく楽しさと、患者様・御家族の喜びの声。それが在宅療養に関わる仕事の醍醐味ではないでしょうか。