高齢者住宅に入居されている患者さんのところへ先週訪問したときのこと。
以前から、ベッド横のテーブルに置かれた 手帳くらいの大きさの額縁入りの写真が気になっていました。
セーラー服（女子高生の制服はもともとここからですよね。Sailor ＝ 水兵）に身を包んだ4人の若い兵士。
患者さんに写真について尋ねると、「後ろの左が私の兄。前の右は小隊長さん・・・・戦艦大和に乗っとったんです。
あんな大きな船に乗るから死んでしもうて・・・・もう誰もみる者がおらんから、私が写真を連れてきたんです・・・」
よくみると帽子には 右から「大日本帝国海軍」と書いてあります。
写真のなかで皆、まだ20歳そこそこくらいの若さに見えますが、精悍な顔立ちをしています。
こういう戦死者の犠牲があってこそ、今の時代の日本の繁栄があることを我々は忘れてはならないと思います。
この方はずっと広島に住んでいて、御主人を亡くし独居になって近くにおいでという親族の呼び寄せで、岡山に来て高齢者住宅に入居されたのですが、生きていても良いことがない、寂しい、早く迎えが来ないかな、等々いつも言われていて、傾聴しています。
「１診療 １笑い」を心がけていますので、患者さんや家族に笑って貰えるように話をいろいろ工夫するのですが、今度は何を話して笑わせようかな。