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2026年8月21日

疾患も社会的背景も様々

ももたろう往診クリニックでは、広く見学希望者を受け入れています。
2026年8月、ハンガリーで医学を学ばれている方に診療同行していただきました。
在宅医療の実際を見学された感想をご紹介します。


夏休みの期間を利用して、ももたろう往診クリニックで半日ずつ3日間、訪問診療に同行させていただきました。慢性期の患者さんから終末期を迎えた患者さんまで、疾患も社会的背景も様々な背景を持つ方への診療を見学し、在宅医療について考える機会をいただきました。
私は看護師として勤務した後、現在はハンガリーで医学を学んでいます。今回の実習では、医学生としてだけではなく、看護師としての視点からも診療を見学しました。
特に印象に残ったのは、医師と看護師がそれぞれの役割を生かしながら、一人の患者さんを多面的に支えていたことです。限られた訪問時間の中でも、身体症状の確認や治療だけでなく精神面や生活環境、利用できる社会制度などにも目を向けられていました。また、患者さん本人だけではなく、介護する家族に疲れがたまっていないか、終末期を迎える患者さんと家族がどのような関係にあるのかといった点まで関わっておられたことが印象的でした。

看護師の方々については、在宅医療に対するモチベーションの高さと、明るく患者さんや家族に接する姿が印象に残りました。忙しい診療の中でも、医師が診断や治療を進める一方で、看護師が患者さんや家族との会話から生活上の問題を拾い上げるなど、短い時間でできるだけ多くの支援をしたいという思いを感じました。診療だけではない看護師の役割の大きさを改めて感じました。

また、医師と患者さんとの距離感も印象的でした。病院では患者さんは「診療を受けに来る人」ですが、訪問診療では医療者が患者さんの生活の場に入っていきます。そのため、病棟や外来とは異なる関係性が生まれ、何気ない会話や自宅での様子から得られる情報も多くありました。疾患だけを見るのではなく、その人がどのように生活し、何を大切にしているのかを知ることが、治療方針にもつながっているように感じました。医師としてのモチベーションにもつながったところですが、病棟でご一緒した先生方がいきいきと患者さんや家族に接する姿を見て、将来自分もこうなりたいなと感じました。

欧州でも高齢化に伴い、プライマリ・ケアを中心とした在宅医療は重要な役割を担っています。今回の実習では、医師と看護師がともに患者さんの自宅を訪れ、医療だけでなく介護や家族の負担、社会的な問題まで含めて支援する日本の在宅医療を実際に見ることができました。制度や職種ごとの役割は国によって異なりますが、患者さんが住み慣れた場所で生活を続けるために、医療者が生活の中に入って支援するという考え方は共通しています。今回経験した日本の在宅医療と比較しながら、互いの良い点や改善すべき点について考えていきたいと思います。

3日間という短い期間でしたが、病院での実習とは異なる視点から在宅医療を学ぶことができました。ご指導、調整をしてくださいました医師、看護師事務の方々に感謝いたします。ありがとうございました。