「在宅緩和医療の実践的技術」というタイトルで、 国際ホテルで研修がありました。
岡山県緩和医療レベルアップ研修の一環で「在宅における終末期の補液管理」「在宅ケアにおける 終末期の症状マネジメント」の2題の講演がありました。
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輸液については、一般の方には どうしても根強い点滴信仰があって
なかなか理解されにくい面があります。
終末期には たくさん点滴を行ったから寿命が延びるとか栄養状態が良くなる・・・
といったエビデンス(検証結果というか、医学的研究結果)はなくて、行っても行わなくても大きな違いはない場合が多い
(もちろんケースバイケースではありますが、多くの場合)
という事実が 様々な研究結果などを紹介する形で述べられました。
終末期の輸液については日々患者さんをみるなかで遭遇する問題です。
点滴しない方が明らかに楽に過ごされるだろうと思っても、御家族が説明に納得されない場合、つまり
頭ではわかっても心情的に 何かしてあげないと気が済まない
・・・という方も中にはあります。
ある程度はその気持ちを尊重して 折り合いのつく形で行う場合もあるわけで、病院と違って医療者側の考えだけで、あるいはクリティカル・パスに乗っかって 一方的に決める・・・のではなく
患者さんや家族とのやりとりの中で決まってゆく、という形もあるのが在宅医療だと思います。
症状マネジメントのお話では
さすがに長年緩和医療に携わってこられた先生だけあって
学術的な内容がわかりやすく話されたことはさておき、患者さん・家族との コミュニケーションの取り方の非常にうまい先生であろうということが
話の”行間”から感じられました。
一般に、学術的には素晴らしいことを言われているけれど
実際の臨床をどれだけほんとにやっているのかしらん?と
思えるような偉い先生の講演を聴くこともたまにあるのですが、今日の講演からは、これまで患者さん家族を前にして
いろんな場面で苦労してこられたであろうことが推し量られました。
広い会場は
医師や看護師、薬剤師など
大勢の聴講者でいっぱい。
よく知った訪問看護ステーションの
看護師の面々もお見かけしました。
帰り際には
研修医時代に同じ病院にいた、麻酔科のI 先生に
20年ぶり?!くらいに再会しました。
ももたろ