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2012年4月14日

高齢者の入院

パーキンソン病でずっと自宅療養していた80歳代のFさんが、約2ヶ月の入院の後に退院して自宅に帰ってこられました。ほぼ寝たきりに近い状態になって通院できなくなったFさんのところへ訪問診療に行くようになって はや1年8ヶ月くらいになります。
嚥下がうまくいかなくなって誤嚥性肺炎となり臨時往診したのが今年の1月。
抗生物質の点滴治療は在宅で訪問看護との連携でどうにでもなりそうでしたが、1日に何度も吸痰することは高齢の奥さんには無理だと判断し、仕方なく入院を勧めたのでした。肺炎などで頻回の吸痰が必要となった場合、介護者が1日中家にいてある程度できる家なら自宅での治療も可能ですが、家庭状況や介護者のことも考慮した上でどのようにするか判断しなければなりません。
このあたり、病院での画一治療と違って 在宅医療の難しいところです。(というか面白いところでもあるのですが・・・) 入院後1,2週間は絶食・点滴と抗生剤治療を行って改善し、1ヶ月くらい経ってから経管栄養とリハビリを始めたと奥さんから伺いました。

入院前はベッドの端に自力で座って、訪問リハビリのときには介助で歩くこともできていたのに
帰ってきたときは残念なことに 両足は膝を折った状態で屈曲拘縮となって固まってしまい、 自力で座ることはもはやできない状態になっていました。
退院前のカンファレンスのとき 入院前は坐位保持も介助歩行もできていたと聞いて、病院の理学療法士さんが驚いていたということでした。リハビリの依頼があったのは肺炎が落ち着いてからだったのでしょう。住み慣れた環境で在宅療養している高齢者は、1ヶ月も入院すると、よほど気をつけて診てもらってない限り動けなくなってしまって帰ってくることをよく経験します。
できれば1、2週間で退院させてもらえるとあとの在宅生活への影響が少なくてすむのですが、なかなかそうはいかないようです。
退院の前には 胃瘻造設を勧められたそうですが、奥さん・娘さんで相談して 食べられるだけ食べさせてあげて、あとは自然にみてゆこうと決心され、そのように担当医に申し出たとのことでした。帰るときには経鼻栄養チューブも抜いて退院されました。つづく