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2010年9月11日

死の悲しみを癒してくれるもの

それは1カ月ほど前の出来事でした。
わが家で一緒に暮らしていたチワワの葉菜(はな)ちゃんが13歳で亡くなりました。その2週間ほど前から食事がのどを通らなくなっていました。動物病院ではエコー検査を受け、腹部に異常があるようにも見える、と獣医師からは手術を勧められました。以前の私だったら迷わず手術をお願いしたのではないかと思います。しかし、年齢のことを考えると、大きな手術には体力的な不安もある。「わが家」を離れて入院させるのもしのびない。家族で相談し、家で様子をみることにしました。 一時は元気を取り戻して食事も取れるようになりました。
でも、8月2日昼すぎ、「様子がおかしい」と母からメールが届きました。仕事を終え、不安な思いで午後7時ごろ帰宅すると、自分のお気に入りの寝床でぐったりと横たわっていました。私に気づくとわずかにしっぽを振ってくれましたが、立ち上がることもできず、約3時間後、静かに息を引きとりました。主人も帰宅し、家族全員がそろうのを待ってくれていたかのようでした。家族の誰もが葉菜ちゃんを思い出しては涙ぐむ日々が続きました。
二人の息子はちょうど夏休み。毎日何度も線香をたき、その姿を見るたびに私たちも悲しみを新たにしました。中でも長男の落ち込みは相当なものでした。気分転換にと子犬を見にペットショップに行っても、店内に足を踏み入れることすら拒んでいました。 
「葉菜ちゃん以外の犬は飼わない」と。 
日が経つにつれ、だんだん線香をたく回数が減っていきました。1日1回になった頃、長男は「8月2日生まれのチワワなら葉菜ちゃんの生まれ変わりかもしれないから飼ってもいいよ」と言うようになりました。私自身も葉菜ちゃんがいないことが不自然で、いないとわかっていながら名前を呼んだりしていましたが、徐々にいないことにも慣れてきたように思います。・・・時間が心の傷を癒してくれる・・・そう実感しました。ヒトではなく、飼い犬。とはいえ治療方針を家族で話し合い、亡くなった後も本当にこれでよかったのかと考えたり。これが家族であればなおさらだろうと思います。葉菜ちゃんには家族全員癒され命の大切さを教えてもらい、感謝の一言につきます。もう少し落ち着いたら、みんなでペットショップめぐりをし、葉菜ちゃんの生まれ変わりに出会えたらいいなと思っています。                                            ナースめぐみ