ももたろう往診クリニックで家族を診てもらっていたことがある、 あるいは看取りをしてもらったという患者さんの診療依頼が時にあります。 ご家族の診療を行ったのは一昔も前のことだったりします。 ある病院の患者サポートセンターから、新規相談がありました。 癌で手術や化学療法を受けてきたが、末期となり歩行も難しくなってきた患者さんが 「母を看取ってもらった ももたろう往診クリニックに訪問診療をしてもらいたい」 と希望されているとのこと。 ご自身の母親の在宅介護を始めたとき、訪問診療の際に 「何か家族で手伝えることがありますか」と尋ねると、看護師から 「これは私たちの仕事です。家族は家族にしかできないことをして下さい」と言われ 涙が出るくらいうれしかったそうです。その時の安心感が忘れられず ご自身もまた、ももたろう往診クリニックの訪問診療を希望されているとのことでした。 後日、訪問診療に入る前の説明と契約の際にお話をうかがったところ 「家族でできることをして下さい」と言われたのは、 訪問看護で便処置をしていた時のことでした。 こちらが当たり前に話した言葉でも、患者さんやその家族の心には 深く残るものなのだと改めて感じました。 これからも一つ一つに心を込めて、 在宅療養の不安を安心と喜びに変えて「家で生きる」を支えていきます。
2023年9月4日