脳卒中で麻痺をきたし寝たきりになった80歳代のお母さんを自宅に連れて帰って介護されている息子さん。
嚥下がうまくいかなくなって入院中に胃瘻造設されたものの、滴下した栄養剤が逆流して誤嚥することがあったと退院前カンファレンスで聞いていたので、退院後に訪問診療に伺うようになってから、栄養剤を寒天化(半固形化)するようにお話していました。ラコール寒天の作り方のレシピを渡していて、今はヘルパーさんが作ってくれています。
「あれなら自分でもできそうです」と言われ、少しずつ在宅介護にも自信を持ってこられていることを感じました。
自宅で看てあげるようになってどうですか? と尋ねると、吸痰するにしても、入院中は看護師さんにはたくさんの担当患者さんがいるので順番でないとすぐにはしてもらえなかったけれど、今は自分で気がついたときしてあげられますし、口腔ケアも入院中は口の中が乾燥してパリパリだったけれど自分でしてあげられるのでそんなこともないし、家に戻ってきて良かったと思います。
何より、近所の人たちが様子を見にきてくれたりするので 本人も喜んでいます。
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そんな話を聞きながら、今日は少し時間に余裕があったので、出して頂いたコーヒーを御馳走になってしまいました。長年のつきあいの近所の方からの励ましも在宅療養中の患者さんには良い刺激になります。
近所のコミュニティが生きている地域が岡山にはまだまだあるんですね。デイサービスにも出かけられるようになって息子さんの今後の介護負担も多少軽減できそうですし、少しずつ介護のペースをつかんでいかれることでしょう。嬉しそうに話される息子さんの様子に、在宅療養の支えのひとつになれて良かったと感じました。西大寺の商店街の近くは、19日の裸祭り(会陽)を前に、さぞ賑やかになっているかと思いきや、いつもながらに静かなままで、通りがかりにいつも見かける仏像は温かそうな日差しを受けていました。