ついこのあいだ桜が咲いていたのが、いつの間にか暑くなって梅雨入り。
先日、Tさんの診療に行ったときのことでした。
「先生な、今頃の日本はいったいどうなっとるんじゃろうか・・・・」
とおもむろに話し始められたので、なになに、どうしたのですか??
Tさんは市営住宅に独り暮らしの80歳代、1日中家から出ることのない毎日なのですが、久しぶりに息子さんが外へ連れて出てくれたのだそうです。
デパートだかスーパーだかに行ったとき見た光景で、「若いオナゴの子がみな、シリが見えそうな格好して歩き回ってから・・・ほんとにもう・・・」
たぶん暑くなって急に増えたミニスカか短パンのことを言われているのでしょう。
あとでクリニックに戻りこの話をしたら、Tさんがまじめな顔で
“シリが見えそうな格好して・・・” というそのギャップに、大ウケでした。
オヤジ的には目の保養?!になるかどうかは別として、やはりこの年代の方々にとっては そのように受けとめられるのだなぁと思いました。
「近頃の若いモンは・・・・」という言葉は
古代エジプトだかメソポタミアだかの時代の
遺跡からも見つかっているという説もあるようですし
昔から年長者により言われ続けてきたことは間違いないでしょう。
一方で、「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」 という言葉もあります。
明治維新しかり、歴史を変える原動力になってきたのは、既成概念にとらわれず恐れず、エネルギーにあふれた若い力。
♪ 古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう~
古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう~
なぜなら古い船も新しい船のように新しい海へ出る~
古い水夫は知っているのさ新しい海のこわさを~ ♪
(・・・と唄っていた吉田拓郎も歳とって今や介護保険の1号被保険者の年齢でしたっけ・・・)
これまで「入院」と「外来」でうまく機能してきた医療のシステムが
さまざまな社会の変化に 一部でうまく対応しきれなくなって、入院と外来の隙間を埋める、第3の医療とも言うべき「在宅医療」が注目されています。
医療という大きな世界の7つの海のなか、私たちは「在宅医療」という新しい海へ 漕ぎ出しています。
岡山の地で 新しい海へ 一緒に航海してゆける、新しい水夫や船長となれる医師を 当院では今、募っています。