2014年10月16日
「訪問診療」と「外来」
こんにちは、医師の小林です。秋も深まり、過ごしやすい季節になりましたね。今回は病院や診療所など患者さんが医療機関を訪れる場合いわゆる「外来」と逆に医師など医療者が患者宅を訪れる場合「訪問診療」の違いについて話します。単純に聞くと病院と自宅の場所の違いと考えられます。しかし、実際には立場が全く逆転してしまいます。例えて言うならば「外来」はサッカーの試合をホームグランドでするのと訪問診療」はアウェーグランドでする違いです。なぜ訪問診療がアウェーなのか、患者様宅を訪れて、家に入れてもらって初めて訪問診療を開始することが出来ます。これは医師としての立場を認めてもらい信頼されてはじめて、家庭に入れてもらっていると思っています。毎度のことですが、結構緊張します。そこにはその人の生活があり、いろいろな習慣をかいま見ることが出来ます。本人の病状だけでなく、家族や生活環境住居・ペットなどをふくめ観察を行うことが出来るので、時間もかかるが膨大な情報を得ることが出来ます。それを元に1,2週間先を見越して治療を行ってゆきます。一方外来では、来院していただいた方の訴えをもとにして、自分の診察室でいつものスタッフと使い慣れた医療器具を用い、来ていただいた患者様を診察し診断をつけ治療を行います。在宅診療のおもしろさは、外来ではみることのできない、その人のバックグラウンドを直接みて、医療を行うことが出来ることだと思います。