2月17日(水曜)の RSKテレビ 「メッセージ」は 多くの方が見ておられて、お会いする方々から感想などを伺うことがありました。
一般に TV取材は編集者のシナリオ通りに編集されて
思っていたのと違う形で流れる事が多い、と よく聞いていたのですが、取材に来られていた放送記者の方と 何度も意見交換をさせていただいたお陰もあって
在宅医療の雰囲気とでもいうのでしょうか、良さが十分に伝えられる内容になっていたと思います。
今回の取材のためにまわしたVTRカメラの総時間がなんと50時間にも及んでいたと後に伺いましたが、その膨大な量のフィルムをうまく1時間に編集して うまくメッセージとして伝える、その技術に さすがプロの仕事をみました。
番組に出ていた患者さん(Nさん)との関わりの中で、当院スタッフもいろんな感想をもっていました。
「診療同行や訪問看護に伺っていて、自分がどんな話をしてたかな、なんて忘れていた時もあったけれど TVを見ていて、ケアマネジャーさんがNさんに『一番充実していた時はいつ?』と尋ねて、それが お花の師範の免許をとって、生徒さんに教えるようになったとき、とわかってから、訪問の時にわざわざお花を持って行ってあげて 一番いい笑顔を引き出してあげられていた・・・ その姿勢を尊敬しますね。
最近 地元で祖父が亡くなったのですが、自分にとっては強かったおじいちゃんの面影がそのまま残っていても、多分 病院の医療従事者には誤嚥を繰り返して肺炎になって弱った老人にしか見えないだろうな、と思って・・・
立場は違うかも知れないけれど、在宅で過ごす患者さん達に、どうやったら 少しでも充実した時間を過ごして貰えるか、日々仕事の中で考えたいと思います」
「Nさんが亡くなったときの御家族の悲しそうな表情が、少し落ち着かれて エンゼルケアを一緒にされているとき、ふゎっと穏やかになった、その変化がすごく良く現れていて、いい瞬間をとらえて撮られているなぁと思いました。
在宅では 患者さんが亡くなったときの御家族の様子をみていて、悲しいけれどもあんなふうにしっかり受け止めて静かに穏やかに過ごされたり、時には笑ったり・・・ そんな様子を見ていると、この仕事、大変な時もあるけれどやってて良かったなぁと思うんです。
やっぱり病院ではあの変化を見ることはできないですよ」
「ケアマネジャーのYさんに会ったとき話していたら、『番組を見た知人のケアマネジャーさんが、(番組を見て)ケアマネにもいろいろできることがあるなぁと思ったから、もうちょっと仕事続けて頑張ってみる、と言ってくれた、そう言ってもらえたのが一番嬉しかった』と言われていましたよ」
以上は 当院の看護師スタッフ達の言葉でした。
ほんと、Yさんの関わりは実はすごいと私も思っていました。
自分がお花を持って行って、「Nさんに生けさせてあげたら良かったかもしれないのに
私が勝手に生けてました」と笑って話されていましたが、どうしてどうして。
自分で楽しみながらNさんに “してもらっている申し訳ない感”を少しも感じさせることなく、そのじつ、自らがお花の生徒さん役になって、しっかりNさんに先生役をやってもらうことによって、お花の先生という役割の中で一番生き生きした表情を引き出してあげている・・・・
めぐみ在宅クリニックの 小澤竹俊先生のいわれる、「ライフ・レビューの中から (心の)”支えを強くする” 」 という、まさにその実践をされていると思います。
御主人と一緒に Nさんのお世話のお手伝いをするナース・あやや。在宅の仕事が1年めでも、一生懸命やれば通じるものを感じとっていただけます。
2016年2月29日