ももたろう往診クリニックでは、岡山大学医学部から実習生を受け入れています。
実習を終えた学生さんの感想をご紹介します。
岡山大学医学部5回生 【実習期間】2025年2月 2週間
まずはじめに、実習を受け入れてくださったももたろう往診クリニックのスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。毎日が非常に充実した2週間でした。
在宅医療に関わる機会は今回が初めてで、この実習が始まる前のイメージとして、在宅医療は医師が患者さんの自宅を訪問し、診察や薬の処方を行うものだと思っていました。しかし実際に同行させていただくと、診察だけにとどまらず血液検査、尿検査、エコー、胃瘻や気切のカニューレの交換などの処置までも行うという、自分の想像を遥かに超えた医療を提供していることを知りました。また、看護師の皆さんも行き届いた気遣いと穏やかな雰囲気で患者さんを安心させると同時に、迅速かつ確実な手技で処置を行い、テキパキと必要な作業をこなす姿を見て、プロ意識を感じました。
今回最も実感した学びは、入院時の医療と在宅医療の相違点です。普段大学病院のような基幹病院で実習をしていると、どうしても疾患そのものに焦点を当ててしまいがちですが、在宅医療においてそれは必ずしも優先されることではなく、むしろ患者さんが今最も必要としている医療は何かを考え、それがもし教科書的にベストとは言えないものだとしても提供するべきであり、逆に一般的に行うとされている治療でも、本当に患者さんにとって必要かどうかを見極め、場合によっては減らすことも大切だと学びました。
また、大学で教わった「全人的」という言葉の意味もこの実習を通してより理解できたような気がします。前述のように普段は疾患そのものに焦点を当てて勉強しているため、同じ疾患の患者さんは一括りにしてしまいがちです。しかし今回同じような年齢・疾患であっても、生活環境や家族関係、本人の性格など様々な要素が十人十色であり、何一つとして同じ医療を提供することはありませんでした。字面で知っていても今ひとつイメージできていなかった「全人的」という言葉の意味を身をもって実感しました。
最後になりましたが、改めまして、小森先生をはじめももたろう往診クリニックのスタッフの皆様にはたくさんのご指導を賜り、心より感謝申し上げます。またスタッフだけでなく、実習にご協力くださった患者の皆様にも厚く御礼申し上げます。将来医師としてどのような場所で働くとしても、この2週間で学んだ経験を胸に刻み励んでいく所存です。ありがとうございました。
2025年2月10日