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2023年4月1日

興味もより一層高まりました

ももたろう往診クリニックでは、岡山大学医学部から実習生を受け入れています。
実習を終えた学生さんの感想をご紹介します。

岡山大学医学部6回生 【実習期間】2023年3月 5日間

もともと在宅診療に漠然と興味はありましたが、実習に伺うまでは往診がどんなものであるかあまり想像もついていませんでした。在宅でできることには制限もあるでしょうし、医療的な介入をどこまでしているのか、家で最期まで診ることになるのか、患者さんや家族に対してどのように接すればいいのか、など様々な疑問を抱きつつ少し緊張しながら実習に臨ませていただきました。
往診では大掛かりな検査は出来ないかもしれませんが、その分患者さんの身体を直接触ることに重きを置いておられ、その姿は医師として本来あるべき姿だなと思いました。また、医療的な介入に限界はあると思っていましたが、在宅で点滴や胸腔穿刺をされる姿を目の当たりにし、実習前の想像とは全く違っていて驚きました。
また実際に帯同させていただくと、患者さんの家族のことにも注意を向けなければならないことを改めて感じました。患者さん中心で考えるのはもちろんですが、介護している家族が体力的あるいは精神的に参ってしまったらそれは元も子もないので、家族の健康や気持ちをしっかりと傾聴しなければならないと改めて考えさせられました。さらに、医師が指示を出した通りに看護師さんが処置をしてくれる病院とは違い、指示を出してもそれが家族にとって納得のいかない治療であれば言った通りにやってはくれない、というお話は本当にその通りだなと思いました。また、全てがこちらの思い通りにならなくても少しの諦めは必要で、あまり強制はしないことが家族との付き合いの中で重要なことなのだなと感じました。
そして、家族との関わりに関しては印象に残っていることがあります。病院の退院前カンファレンスを見学させていただく機会があり、その場に家族の方も参加していらっしゃいました。そういう取り組みはとても素晴らしいものだと思いました。しかしながら、第三者の私から見ると家族が参加しきれてないように見える部分がありました。病院の主治医は往診を担当する医師に、病院の看護師は訪問看護の担当者に情報提供するだけで、家族の方を見ようとしていませんでした。(見ていたのかもしれませんが、多くの医療用語を使ったり、家族があまり受け入れる体制が整っていない中で患者さんの厳しい状況を家族の前で、さも当然のように言っておられ、正直家族への配慮ができていない部分もあったと感じました。)あくまで外部の、事情をあまり知らない立場の意見だとは思います。それぞれがそれぞれの仕事をしっかりと全うしていたのはすごく伝わりましたが、せっかく家族がいる場なのでもう少し家族の方が発言しやすい環境が作れたら良いなぁと思う部分もあったと感じました。
病院で最期を迎えることが多い時代ではありますが、実際は家に帰ることが患者さんにとっては何よりも希望であるという方も多くおられ、そういった方にとって往診をしてくれるクリニックは欠かせない存在です。今回の実習で往診に対する見方が良い意味で変化し、また興味もより一層高まりました。
お忙しい中、実習にご協力いただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございました。